- 日時: 2020/03/01 13:22:22
- 名前: 御津垣 ID: wZXEwAyk
- 編集: 【回数】 7回
【名前】 御津垣 【最終日時】 2021/01/03 15:33:17
- 2017年に実施した「加弥命神社」の探索であるが以下の課題が残った。
@佐藤氏、森谷氏の記述と場所が異なる A写真とは一部異なる形状に感じられる B玄武岩の海礫が見当たらない
これらの解決のため三宅島を再訪することとなった。
まず、@の場所に関してだが、両氏が記述し、地図に示す場所に実際に 伺ってみることとなった。 ----------------------------------------------------------------------------- 「はちまき道路」から下馬野尾(げばのお)へ下るわかれ道の丁字路を、 山側へ西−西南方向に水平約400メートル(目測)ほど登ると、 径約60メートル(スギの植林の下枝を落してないので見通しがきかす、 目測も極めて困難であった)の爆裂火口様の旧火口が北東に向いて開いている。 ----------------------------------------------------------------------------- 前回伺った爆裂火口より雄山側に200m登る。 火口底を進むと八丈薄が邪魔でかつ最終地点までの登りが急になるので、 緩やかな地点より火口壁上部を歩くこととした。 火口壁といっても実際には確りした支尾根なので危険は少ない。 現地の状況であるが、開けた平原のような感じとなっていた。 八丈薄の植生が濃く、立ち枯れの木が多数確認できる。 ただし、どれも細く前回発見した周囲710mmの巨樹に相当するものはない。 北側は谷となっており当然火口壁は見えない。 足元の確認は薄が邪魔なので出来ていないが、 少なくとも両氏が書かれている内容とは一致しない場所であった。 よって、両氏が地図に示す場所は間違いであると判断する。
つぎにAであるが、自分では判断が難しいので第三者に意見を求めることとした。 幸い『三宅島巨樹の会』の副会長に同行意見を求めることができた。 その結果「一致する箇所が多く、写真と同一として問題はないのではないか」との 意見を得た。これで解決というわけではないのであろうがそれは後の研究に譲ろう。
最後にBであるが、これは海礫そのものを発見したことにより解決している。 前回訪問時は、手前の枯草に埋没していたが、枯草を取り除くことで発見できた。 最初に訪れた自分は何をやっていたのかという不手際である。
以上3点の課題をクリア(?)したことで、 前回発見の巨樹こそが二宮神社に合祀され、のちに御笏神社に合祀された 神居宮の旧地で間違いないと判断した。
そのうえで、文章を訂正するのであれば、以下のようになるであろう。 ※全角部分の数値のみ修正 ============================================================================= 「はちまき道路」から下馬野尾(げばのお)へ下るわかれ道の丁字路を、 山側へ西−西南方向に水平約200メートル(目測)ほど登ると、 径約90メートル(スギの植林の下枝を落してないので見通しがきかす、 目測も極めて困難であった)の爆裂火口様の旧火口が北東に向いて開いている。 火口底はほぼ平らで、火口壁の高さは約7メートル(目測)、 火口底にはスコリアがやわらかく積っていて、スギが植林されている。 その火口底のほほ中央に、目通り約2メートル50(目測)高さ約15メートル(目測)、 木ずえが噴火にあって枯れたような枯れ方をしているが、 この島でもちよっと見かけない程のシイの大木がある。 =============================================================================
この神居宮の発見に至ったのは佐藤・森谷両氏の時代と違って、 衛星写真などで地形の確認が容易になったこと、 火山ガスにより見通しのきく状態になったことなどがあげられる。 テクノロジーと自然現象のおかげと言っていいだろう。 ただ、それでも両氏の情報がなければ、それらを利用して 場所を特定することが出来なかった。 困難な状況のなか情報を残してくれた両氏に敬意を表したいと思う。
なお、二回目訪問の翌日、神居宮・二宮神社の合祀先である 御笏神社の壬生宮司様に御足労いただき改めて神居宮にお参りさせて頂いた。 その際この場所は現在のところ「危険地域」に該当し、 かつ簡単に伺える場所ではないことから、場所の公開はしないことになった。 式内社の巡拝をされている方々には申し訳ないが、なにとぞご了承いただきたい。
三回におよぶ探訪は、いろいろな人の協力があって成し遂げることができた。 ここに個人名をあげることは差し控えるが改めて御礼申し上げます。
<写真> 1枚目 佐藤氏著書にある神居宮 2枚目 森谷氏著書にある神居宮 3枚目 御津垣撮影 神居宮
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